生活費は整った。それでも決断できない
生活費は計算した。 生活防衛資金も1年分ある。
頭の中で何度もシミュレーションした。
それでも、私はまだ退職を決断できない。
理由は単純だ。怖いからだ。
会社というレールの安心感
毎月決まった日に振り込まれる給料。
ボーナス明細を見るときの安堵。 社会保険、昇給、退職金。
「考えなくても進める構造」の上に、私は立っていた。
そのレールのおかげで、結婚し、家庭を持ち、子どもを育ててきた。
制度に守られていた。それは間違いない。
レールを降りる怖さ
レールを降りるということは、用意された未来を手放すということだ。
収入の責任は100%自分になる。 失敗すれば、自分の選択の結果だ。
個人としての収入は読めない。 来年いくら稼げるかも、確実じゃない。
正直に言えば、これが一番怖い。
男としてのプライド
私たちは共働きだ。 家庭を回すことが最優先だとわかっている。
それでも、心のどこかで「男は稼ぐべきだ」という感覚が抜けない。
妻より収入が低くなるかもしれない現実。 どう努力しても、すぐには埋まらない差。
稼ぐ金額が、自分の価値のように感じていた。
だから退職を考えると、胸の奥がざわつく。
それでもワクワクしている
怖さと同じくらい、ワクワクもある。
年間480時間の通勤がなくなる。 平日の午前中、妻とゆっくりコーヒーを飲む時間ができる。
夕方、心に余裕を持って子どもを迎えに行ける。
1年後の自分を想像すると、少しだけ笑っている気がする。
今の結論
退職はまだ告げていない。
レールを降りる勇気が本当にあるのか、私はまだ揺れている。
それでも分かっていることがある。
怖いということは、本気だということだ。
レールの上で生きる安心より、 自分で選ぶ人生のほうが、今は少しだけ魅力的に見えている。


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