退職すれば、すぐにのんびりした毎日が始まると思っていました。
実際には、解放感がある一方で、なぜか落ち着きませんでした。お金を使うことにためらい、膨大な時間を持て余し、自由になったのに休めない日もありました。
それでも、子どもの早い迎え、妻との10年ぶりの朝マック、平日のバイク、家事を終えてから取り組むブログなど、会社員時代にはなかった生活が少しずつ形になりました。
この記事では、18年間勤めた会社への最終出勤日から、有給消化、2週間後、退職1か月後までの変化を時系列で振り返ります。
最終出勤日の朝は、意外なほど普通だった
退職の最終出勤日は、もっと特別な日になると思っていました。
しかし朝起きて感じたのは、だるさと「最後の出勤が面倒だ」という気持ちでした。
いつもどおりに家事を済ませ、妻と朝食を取り、往復60kmの通勤路を走りました。窓から見慣れた景色を見ながら、「この渋滞も今日で最後なのだ」と思いました。
午前中は、引き継ぎとPCの整理です。退職日だからといって特別扱いはなく、普通に仕事をしました。
午後は、部長、主任、同僚へ挨拶をしました。感謝を伝えながら、泣きそうになる瞬間もありました。
会社を出て車へ乗ったとき、ドラマのような感動はありませんでした。ただ「やはり家が遠い」と思いました。
人生の節目は、意外とあっけないものなのかもしれません。
翌朝、6時30分に出勤しなくてよいと気づいた
翌朝も、体はいつもと同じ時間に起きました。
洗濯物をたたみ、子どもの朝食を準備し、見送る。すべてが終わったのは8時ごろです。
その途中、6時30分になっても出勤しなくてよいことに気づきました。
毎日続けていたため麻痺していましたが、退職して初めて、「6時30分に出勤する生活は早かったのだ」と感じました。
有給消化2日目|解放感があるのに落ち着かなかった
朝は5時30分に起き、妻と家事と朝食を済ませました。6時30分に子どもを起こし、7時30分に長男を見送り、その後、下の子を園へ送ります。
8時に帰宅するところまでは、会社員時代とほぼ同じです。
以前なら車に乗り、渋滞の中を走っていました。その時間に、PCを開き、ブログや個人事業へ向き合うようになりました。
会社員時代に頭を占めていた会議、未処理の案件、上司への報告、締め切りが一気になくなり、頭の中が驚くほど静かになりました。
それでも、「本当にこれでよいのか」という感覚は残っていました。会社へ行かなくてよい生活になっても、18年間の習慣からすぐには切り替わりませんでした。
お金を使うことにためらった
退職直後、何かを買おうとすると手が止まるようになりました。
当時の家計では使っても問題ないと考えていました。配当収入もありました。それでも、妻が働いている間に自分だけ会社へ行かないことへの後ろめたさがありました。
11年間、共働きでお互いに稼ぎ、家事と子育てをしてきました。それが急に、自分だけが仕事から離れたように感じられたのです。
節約したいというより、罪悪感を小さくするために支出を減らそうとしていたのかもしれません。
子どもは、早い迎えを喜んでいた
有給消化に入り、以前より早く子どもの迎えへ行くようになりました。
学童で友達と遊んでいるため、迎えの時間が変わっても気にしないだろうと思っていました。しかし、子どもは予想以上に喜びました。
「今日も早く来てくれた」という表情を見て、仕事を理由に削ってきた時間の価値を感じました。
子どもは何も言わず、遅い迎えを受け入れていただけだったのかもしれません。
数日後|平日の山へ出かけ、会社員時代との違いを感じた
退職して数日後、家事と洗濯を済ませ、記事を書いていると10時30分になりました。
外はとても良い天気でした。
「バイクで山へ行こう」
誰かの許可も、スケジュール調整も必要ありません。その場で決めて、高原へ向かいました。
平日の山道には人がほとんどいません。休日のツーリングでは、限られた時間の中で目的地へ急ぎ、着いたらすぐに帰っていました。この日は時間に追われず、景色を見ながらゆっくり走りました。
山頂へ着いたのは12時です。以前なら会社のデスクで昼食を取っていた時間に、空を見ながら食事をしました。
会社員時代、バイクは買ったものの、乗る時間がなく、所有しているだけに近い状態でした。この日、ようやく本来の使い方ができたように感じました。
1週間後|家族全体の生活が変わった
有給消化から1週間が過ぎると、最初の落ち着かなさは小さくなっていました。
通勤がなくなったため、朝は私が子どもの準備と送迎を担当し、妻は自分の準備へ集中できるようになりました。
妻が帰るまでに家事と夕食を進めることで、家族全体の時間が早まり、子どもの就寝も以前より早くなりました。
退職したのは私一人ですが、生活の変化は家族全体へ広がりました。
一方、在宅になったことで運動不足を感じました。通勤という強制的な移動がなくなり、意識しなければ体を動かしません。そこで、入浴前にランニングを始めました。
10年ぶりに、妻と平日の朝マックへ行った
退職して数日後、妻の出勤がいつもより遅い日がありました。
子どもを送り出した後、二人でマクドナルドへ行きました。平日の朝に夫婦でゆっくり朝食を食べるのは、約10年ぶりでした。
モバイルオーダーの便利さ、私のブログへの意見、会社員という仕組み、マクドナルドがおいしいという話までしました。
大きな結論を出す会話ではありません。ただ、急がずに相手の話を聞く時間が、会社員時代にはほとんどありませんでした。
うれしい一方で、今は妻が働き続けてくれているからこの時間を持てる、という責任も感じました。
「いつか妻も、働くかどうかを選べる状態にしたい」
そう思いましたが、退職して数日の時点では、まだ何も証明できていません。これは現在の成果ではなく、個人事業を育てたいと思った私の目標です。
時間が多すぎて、何をすればよいか分からなかった
解放感の次に来たのは、時間を持て余す感覚でした。
退職前は、やりたいことがたくさんあると思っていました。しかし、予定のない時間がまとまって現れると、かえって動けない瞬間がありました。
昼寝や娯楽を楽しもうとも思わず、「この時間をどうすればよいのだろう」と戸惑いました。
私の気持ちを安定させたのは、家事を丁寧にすることと、バイクで外へ出ることでした。
音楽を聴きながら夕食を作る。洗濯をする。バイクで走りながら頭を切り替える。一日の中へ自分で「やること」を置くと、少しずつ生活のリズムが生まれました。
2週間ほどで、1日の流れができた
2週間ほど経つと、毎日の流れが固まってきました。
朝は家事と子どもの準備、送迎をします。その後はブログの記事を考え、情報を集め、家のことをします。
作業は15時ごろまでに区切り、その後は趣味、夕食の準備、家族との時間へ移るようにしました。
会社員時代は、会社へ行けば出勤、昼休み、退勤の時間が決まっていました。退職後は、朝に何をするか、休憩をいつ取るか、何時に作業を終えるかまで自分で決めます。
最初は予定のない時間に戸惑いましたが、少しずつ自分の時間割ができてきました。
1か月後|変わったことと、休めなかった失敗
退職から1か月後、特に変わったと感じたのは次の三つです。
- 朝食を準備し、子どもと話して見送れるようになった
- スマホやPCの娯楽アプリ、SNSを減らした
- 運動を予定へ入れ、健康を後回しにしなくなった
一方で、一番の失敗は休むタイミングを作らなかったことでした。
ブログなど、やりたいことがあるため、使える時間を全部作業で埋め、一日中デスクへ向かった日がありました。
会社員時代は休憩時間が決まっていましたが、今は誰も止めてくれません。自分で働くなら、作業時間だけでなく、休憩と休暇も自分で決める必要がありました。
退職後のお金については、家計の流れを事前に把握し、所得が減る前提で生活を考えていたため、1か月目は大きな不安を感じませんでした。これは我が家の場合であり、退職後の心配が不要という意味ではありません。
最初の1か月に必要だったのは、成果より生活を整えることだった
退職前の自分へ伝えるなら、「最初の1か月から成果を出そうと焦らなくてよい」と言います。
私に役立ったのは、次の三つでした。
- 朝の役割を一つ決める
- 作業を終える時間と休む日を決める
- 収入が減った後の家計を数字で把握する
最終出勤日のあっけなさ、2日目の落ち着かなさ、妻への後ろめたさ、子どもの反応、時間を持て余した感覚、休めなかった失敗。これらは、別々の出来事ではなく、18年間続いた生活から新しい生活へ慣れていく途中で起きたことでした。
退職して1か月の時点で、私は退職を後悔していません。ただし、会社を辞めればすぐに理想の生活が完成するわけではありませんでした。
1か月目は、新しい生活を整える期間だったと感じています。


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